我らが閣下

2013.11.27.Wed.00:10
我らが閣下
作品一覧 依馬 亜連 様)

 アゾリス国の国境地帯にあるスポケーン基地。そこを束ねるジョルジョ中将は、「クソが!」が口癖、仕事よりハムを愛する男。これは、そんなジョルジュ閣下と、彼に振り回される部下たちの、小さな戦いの物語。(あらすじ KONA)

 いやーーーーすっごい笑いました!! 読んでる間中、「だめだこいつ何とかしないと……」のAAが頭を離れなかった。

 ジョルジュ閣下がとにかく個性的なんですよ(笑) 閣下の「クソが!」が繰り出されるたびに噴いたわw 使いどころが絶妙w
 彼の仕切るスポケーン基地は、あれですよ。ダメ上司ゆえに、部下が死に物狂いで結束し、結果うまくいってしまう……その典型

 クライマックスで敵に攻め込まれた際に、閣下のとった行動が最高潮でした! やるときはやる! 閣下、まじ漢!!
 愛すべきおバカさんな彼は、意外と部下に慕われていて、そんなほのぼのしたところも良かったです。

 こんだけ笑えた作品はもしかしたら初めてかも。電車とかで読むと非常に危険です注意。後日談・人物紹介も含めて、全27話、完結。

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王の空

2013.09.19.Thu.00:07
王の空 【R15】
作品一覧 紅月 様)

 ここは〈自然の恵み〉と呼ばれる力を体現する能力を持った者たちが暮らす『東ガラット村』。 ミアイは単身で狩りに挑むが、獲物を追っているうちに他の狩り組の縄張りへ侵入してしまう。 縄張り荒らしは重大な掟破り。捕まるのは獲物か、ミアイか。(あらすじ 作者様)

 すっっっごい面白かったー!! 数年ぶりにネット小説で徹夜した。
 二式さまのレビューが簡潔でわかりやすいので、時間のない方はそちらをどうぞ。

 以下、少々長めの感想です。
 こちらの作品は、<自然の恵み>と呼ばれる祝福を受け、狩りで生計を立てる少女が主人公。うーん、異世界版・女マタギの話、といったら伝わるかな……? ネット小説では異色の題材です。

 躍動感あふれる狩りの描写に、序盤から夢中。狩り人の息づかいまで聞こえてきそうでした。狩りの方法や、道具の描写もしっかりあって、その辺もおもしろかったー。
 「聖地の王」との勝負は、続きが気になって、クリック止まらんかったです。人智を超えた力を持つ「王」と若い狩人たちの、頭脳戦、消耗戦に、興奮すんなっていう方が無理ですわ!

 更に、村の掟、組織、食事など、人の営みの有り様がしっかり描写されています。しかも、説明的すぎないのが、こころにくい。

 ネット小説で異世界風だと、「中世ヨーロッパ風」で済ませて細かい描写を省く、というやり方はわりと一般的ですが、もちろん、手軽さが魅力の一つであるネット小説で、それが悪いことだとは思いませんが、描写・設定の緻密さで、物語の奥行がこんなにも違うんだなぁと改めて思いました。

 ちなみにヒロインは、小柄で俊敏な、どちらかといえばかわいい感じの子 狩りでは、<囮>担当なので、非マッチョです。笑。
 無自覚な三角関係もあったりで、その結末も気になるところ!

 魔法使いも騎士も出てこないけど、とっても骨太のFTです。文庫か単行本で読んでみたいなー。
 「空に月がかかるとき」が序章、「銀の月」が本編、という位置づけ。「銀の月」が現在連載中。

天才魔法使いの天災な弟子

2013.04.20.Sat.23:54
天才魔法使いの天災な弟子
(掲載サイト:夏空ノスタルジック 中原まなみ 様)

 「スレヴィの天災」と呼ばれ、村を追放された少女。かつて天才と呼ばれ、今は隠遁生活を送る、元・宮廷魔法師。死化の進む森で、二人は出会う。少女は彼に言った、「わたしを、弟子にしてください!」(あらすじ KONA)

 「ワタログ」さまでご紹介されていて拝読しました。個人サイトの作品、久しぶりだなあ。
 わたしはどちらかといえば、小説=中身重視派。でも、丁寧にデザインされたサイトで読むオンノベも、いいものですねー。

 こちらの作品は、かつての戦争の面影を残す王国が舞台。設定は重いけど、雰囲気は明るくて、文章もすいすい読めます。素直なヒロインがかわいいし、なんだかんだで世話焼きな師匠はかっこいいし。
 「歌」に隠された意味には、なるほどーっとなりました。

 全18話、完結済の、異世界FT。
 作者さまは、ボカロ界隈で作詞もされていて、メジャーコンピに収録された曲もあるそうです。確かに、聞いたことある曲でした。多才!

老人と人形と化物の街

2013.03.19.Tue.00:20
老人と人形と化物の街
作品一覧 柳乃朋美 様)

 妖者と人間の混血が進んだ異世界で、日本に似た国の小さな街に、噂が流れる。────『人間』による純血主義を掲げ、滅びた国の、残党がやってきた、と。
 その噂に惹かれた烏天狗の少年は、彼らがいるという場所に、足を踏み入れる。一方、街の平穏を願うだけの老爺は、壊れた『人形』を保護した。
 化物とは何か。人間とは何か。そして、小さな街で奏でられた、狂想曲の結末は。(あらすじ KONA) 

 ペリカンアタックさまで紹介されていた作品です。いやー。隠れた佳作です。ブログの管理人さまは、優れたスコップをお持ちでいらっしゃる。

 世界観も話運びも独特で、面白かったです。なんというか、『小説』読んだーって感じがした。
 「人間とは何か」って、ありふれてて、かつ、非常に難しいテーマだと思われます。が、化物と対比しつつ、一つの答えを提示してて、この真っ向勝負が良いです。江戸っ子口調な老爺が、これまたイインデスヨ!!

 なろうでは珍しいタイプの作品だけど、こーゆー感じのがもっと評価されてほしいなあ。全12話、完結済。少し残酷描写があるので、苦手な方はご注意を。あと、字が小さめなので、普段のなろうのフォントに慣れている方は、拡大すると読みやすいかも。
 後日談やスピンオフがあるなら、読んでみたい作品でした。

ラヴクロミコン

2012.09.16.Sun.18:13
ラヴクロミコン 【R15】
作品一覧 うさぢる 様)

 みかけは聖女。でも中身はどす黒い。そんな彼女が、恋の悩みを解決すべく、悪魔を呼びだしたのだが…… でこぼこコンビがおりなす、ハートレスファンタジーコメディ(あらすじ 作者様)

 壮大な物語を予感させるプロローグに、一瞬騙されそうになるけど、本編はしっかりコメディです(笑) 破滅的な性格の巫女と、彼女に呼び出された、苦労性の少年悪魔。ふたりの漫才が楽しい

 巫女さん、すんごい自己中なのになぜか憎めないんですよね。むしろ素敵に見えちゃう不思議。
 彼女の行動が人々に誤解され、聖女だと称えられてゆく、いわゆる「勘違いもの」。連載中長編。さらっと読めておすすめ。

空をなくしたその先に

2012.06.16.Sat.22:13
空をなくしたその先に
作品一覧 雨宮れん 様)

 「なんとしても帰らなければいけないんだ……」機密書類を隠し持ち、偽名で旅をする王子。「全てをなくしても、あたしはまだ飛びたいと望んでしまう」空を離れることのできないパイロット。空の支配権をめぐる争いに二人は巻き込まれていく。(あらすじ 作者様)

 ややSFっぽい世界観の、ボーイミーツガールな冒険活劇です。
 古代人の遺産で飛ぶ飛空艇をメインに、大型船や列車、そしていくつかの王国が舞台。レトロフューチャー……ともちょっと違うけど、そんな感じ。

 ボーイミーツガールで冒険活劇と言えば思い浮かぶのはジ○リ。だけど、こちらはより大人向け。若干艶っぽく、バイオレンスな表現もあり、作者様ならではの味付けになっています。そして、普通の冒険劇との最たる違いは、ヒーローとヒロインの立ち位置かもしれません。

 小柄で童顔な主人公ディオは、どちらかというと守られる立場で、最初は頼りないなーなんて思っちゃったんだけど、読み進むうちにだんだん可愛く見えてきて 彼が感じる恐怖や悲しみは、ごくごく普通の感覚なんですよね。オンノベでよくある、鋼のよーに揺るぎないヒーロー諸氏とは違うタイプだけど、親近感の湧く、感情移入しやすい男の子。
 また、優秀なパイロットであるヒロイン・ダナは、サバサバパキパキした少女。強い女の子は好きなんで、こちらのヒロイン嬢もすごく良いなーと思いました。

 空の勢力図を覆しかねない機密によって、狙われるディオ。体を張って彼を守るダナ。逃避行で彼らが相対する、襲撃と裏切り。忍び寄る戦争の影。ほのかな恋愛要素もいー感じのスパイス!
 書籍も出しておられる作者様だけに、展開や文章力ともに安定してます。一話の分量も長すぎず短すぎず、読みやすい長編・完結済。

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月の夢果てるまで

2012.05.25.Fri.15:16
月の夢果てるまで
(掲載サイト:吟遊伽語 瀬川月菜 様)

 多くの部族と小国が乱立する大陸ナリアエルカが、覇王カリス・ルークによって統一されて数年。彼と、その側近ウイリアムは、ある策略のために王妃候補を集める。“魔人の金の娘”と呼ばれた娘リワム・リラも王妃候補として後宮に上がったが────。(あらすじ KONA)

 王道な部分がありながら、独特の雰囲気と、変わった味付けの世界観で面白かったー。何というか、流行にのっかりつつオリジナルっぽい設定を付け足しました、って感じではなく、作者様の個性が自然に反映されている印象なのデス。こーゆーので好みの作品に出合うと、すんごい嬉しいっ。

 さてその内容は。
 王妃候補になったリワム・リラが召された後宮は、気が抜けない場所。
 さらに、己の出自に負い目がある彼女だけれど、ある人に次第に心を開いていって……。というトキメキ要素プラス、謎めいた世界観、誰が味方で誰が敵かわからない、など気になる展開もありまして。
 全体的に、月の光のように静謐な雰囲気が漂っていて、そこも好きだなぁ。戦いのシーンとかもあるのに、不思議です。

 個人的には、人間関係のドロドロした部分とか、彼らを翻弄するこの不思議な世界を、もっと見ていたかったなって思ったりもしますが……でもでも、やっぱり、このくらいが長さ的にも読みやすいのかな。
 ちなみに、サイトには多数の完結作品があるようです。他の作品も読んでみたいな!

辺境の老騎士

2012.05.04.Fri.15:38
辺境の老騎士
作品一覧 支援BIS 様)

 大陸東部辺境のテルシア家に長年仕えた一人の騎士。老いて衰え、この世を去る日も遠くないと悟った彼は、主家に引退を願い出、財産を返上して旅に出た。珍しい風景と食べ物を味わう気ままな一人旅に。彼は知らない。それが新たな冒険譚の幕開けとなることを。(あらすじ 作者様)

 すっごい面白いです、そしてめっちゃくちゃ渋い!!
 老騎士バルドが旅の先々で出会う人々、風景、そして大小の事件。それらが丁寧、かつ実直な筆致で描かれます。
 拝読してて、彼と一緒に世界を旅してる気分になりました。

 何より、主人公バルドが渋くてストイックでカッコイイんですよーーー!!! 老いたとはいえ、「人民の騎士」として有名だった彼。戦い方ひとつとっても経験と人生の重みを感じられて、強さに説得力があるんですね。調子こいてる若造を返り討ちにする老騎士、まじ素敵。惚れる。

 また、渋い設定だけに脇役も男の人が多い。個人的には変わり者の剣客「赤鴉」がお気に入り。あと馬! バルドのお供をする老馬がすごい忠実で、かわええです。「ワ○ダと巨像」のアグロみたい

 剣がメインですが、ある意味王道な洋風FTな世界観もツボ! 「大障壁」から現れる魔獣、大空を悠然と横ぎる飛竜にもときめいちゃいます。

 小さなエピソードの連なりで、短編シリーズのような感覚でサクサク読める!
 今後、バルドがどう活躍していくのか……あああもー、すんげー楽しみ!(今現在、序章の時点でもじゅーぶん大活躍してるけども!)

 オジサマ(オジイサマ)成分が足りない人、そーでない人も、ぜひ読んでみてください。非常に実力のある作者様だと思います。素晴らしい作品に出会えた幸運に感謝。ちょーおすすめ。

赤-RED-

2012.03.13.Tue.17:57
赤-RED-
(掲載サイト:孵化スイッチ 蒼治 様)

 人を食料とする夜見の血族、そして人側で唯一、彼らに対抗しうる存在である『薔薇瞳』(ばらとう)と『魔犬』。望まずに『薔薇瞳』として覚醒したナユタは、人知れず新都に赴くことになる。その彼女を待ち受けていたのは、身代わりとしての人生だった────。(あらすじ KONA)

 この世界観、好きだー。ちょっとだけ退廃的なFTで、でも厳密には異世界ではない、っていう。その辺りは読んでみてのお楽しみ。
 ヒロイン・ナユタも見ていてすごく応援したくなる子でした。なんだかいじらしくてかわいいし!

 恋愛的には逆ハーで、ヒーロー氏たちは、ここぞって場面で萌えツボ押してきます。それぞれの男性が魅力的なのはもちろん、彼らがヒロインを好きになる過程に共感できるとこが良かった。
 逆ハーでもそうでなくても、恋愛ものの醍醐味って、キャラの魅力、そしてヒーロー氏(たち)がヒロインに恋する過程にあると思うんですよね! そこんとこの描写がはしょられてりすると萌えきれない。(← キモい語りですいません)

 わりとシリアスな設定で、若干の残酷描写がある一方、ボケツッコミで和める場面も多いです。完結済、長編。
 こちらは、以前ご紹介した「49」と同じ作者様の作品です。「49」もそうでしたが、導入や伏線、キャラ設定など、ほんと仕込みのうまい作者様だなぁと思いました。
 現代もの「キミギミック」も大変面白かったです。どちらをご紹介するかで、すんごい迷った! こちらも完結済。

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鷹の余白

2012.02.27.Mon.19:15
鷹の余白
(掲載サイト:狼のゆりかご ゆりかごめ 様)

 ある能力を持つ魔女の元に、ごくたまに訪れる依頼人たち。無表情でちょっとひねくれた彼女の、暇つぶしにも似た日常。(あらすじ KONA)

 「★おすすめオンライン小説紹介★」様でご紹介されてた作品で、他の方にもおすすめされて気になってた作品です。なんというか、読み進めていくうちに、じわじわくる面白さ。

 魔女「クロさん」の元に持ち込まれる依頼は、ほとんどが些細なことだったり、ありていに言って、しょーもないことだったり(笑) それらのトラブルに、嫌々ながらも付き合ってしまうクロさんは、根はすごく優しいんだと思います。クロさんが要求する依頼の報酬を見ても、そう思う。

 あることをきっかけに彼女の元に訪れるようになる、魔法使いとの関係も良いのですよー 微糖までいかないけれど、なんだかニヤニヤしちゃいます。
 クールで気まぐれで、でも優しくてかわいいクロさんと、マイペースな彼との掛け合いに、ほのぼの癒されました。
 設定を語りすぎない、控えめな語り口も好み! さらっと読める短編シリーズ。完結済。
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