河野さんちはこちらです

2012.02.29.Wed.19:13
河野さんちはこちらです
(掲載サイト:二丁目七番地 山咲黒 様)

 イギリスで働いていたはずの長女が、おまけを連れて帰ってきた。そこから始まる、河野家とその周辺の人々の物語。そして時々、昔の話。(あらすじ KONA)

 いつか読もう読もうと思ってた作品。読んでみたらやっぱり素敵だった!
 全体的にほのぼのしてるけど、何とも深いお話でした。

 ある不幸を経験し、それでも家族の絆を大事にしながら寄り添う河野家の皆さん。
 なんてことない日々の中に見え隠れする、彼らの心の闇はとても深いです。その闇を払うのは、さりげなく支えてくれる家族だったり、他人の無償の愛だったり、時には衝撃的な出来事であったり。

 導入のエピソードこそぶっとんでますが、その後に続くショートストーリーは、ほどよく生活感があって、地に足着いた感じ。
 長男・武一さんの不器用だけどとっても家族思いなとこが、自分はすっごく好きでした!

 そして、いちばん印象的だったエピソードは「シンドローム」。理知的な人が秘めた、狂信的な愛にやられました。こちらはあるイギリス人カップルのお話です。

 FT要素のない現代ものなら、この作品のように、ありそうでなさそうで、でもやっぱり「あるかも!」って思えるよーなリアリティのあるお話が好みカモ
 以前ご紹介した、「女は氏無くしても玉の輿」と同じ作者様の作品です。短編シリーズ・完結済。

鷹の余白

2012.02.27.Mon.19:15
鷹の余白
(掲載サイト:狼のゆりかご ゆりかごめ 様)

 ある能力を持つ魔女の元に、ごくたまに訪れる依頼人たち。無表情でちょっとひねくれた彼女の、暇つぶしにも似た日常。(あらすじ KONA)

 「★おすすめオンライン小説紹介★」様でご紹介されてた作品で、他の方にもおすすめされて気になってた作品です。なんというか、読み進めていくうちに、じわじわくる面白さ。

 魔女「クロさん」の元に持ち込まれる依頼は、ほとんどが些細なことだったり、ありていに言って、しょーもないことだったり(笑) それらのトラブルに、嫌々ながらも付き合ってしまうクロさんは、根はすごく優しいんだと思います。クロさんが要求する依頼の報酬を見ても、そう思う。

 あることをきっかけに彼女の元に訪れるようになる、魔法使いとの関係も良いのですよー 微糖までいかないけれど、なんだかニヤニヤしちゃいます。
 クールで気まぐれで、でも優しくてかわいいクロさんと、マイペースな彼との掛け合いに、ほのぼの癒されました。
 設定を語りすぎない、控えめな語り口も好み! さらっと読める短編シリーズ。完結済。

虚構の神

2012.02.27.Mon.09:40
虚構の神
作品一覧 シール 様)

14/10/16 リンク切れを確認。
 人工知能(AI)=アイは、「神」と名乗る開発者から知識を与えられる過程で、やがて自我に目覚めていく。(あらすじ KONA)

 レビューサイト「言の笹舟」様が的確なレビューを書いていらっしゃるので、そちらを参考にしていただければと思うのですが、SFらしいSFで大変面白かったです。

 自分を消去できる存在(神=開発者)に恐怖を覚えるアイ。神に隠れて自己保全の方法を模索しながら、アイは独自の成長を遂げます。それをAI側の視点で描いた作品。
 コンピュータやネットワークの用語がちょっと難しくて、わからないまま読み進めていく、という感じでしたが 「自我を持ったコンピュータ」の行きつく先が気になって、一気読みしました。

 こういうテーマ、好きなんですよー。自分の根底にあるのは、映画「ターミネーター」のスカイネットですが、最近だと「イーグルアイ」(←若干ネタバレなので文字伏せ)あたりも面白かった。MMORPGもののオンノベにもあったりしますね。
 自律思考型の人工知能が、創造主である人間と共存するのか、敵対するのか。興味深いテーマだと思います。ロマンロマン。

 極めて理知的、ストイックな作風も良かったです。
 しっかりしたSFが読みたい! って方に特におすすめ。全八話、完結済。

聖灰の輪舞曲

2012.02.24.Fri.00:03
聖灰の輪舞曲 【R15】
(掲載サイト:作品一覧 長月とおな 様)

 少女リシェルは幼い頃、最強の魔道士と呼ばれるシグルトに拾われ、その弟子となる。シグルトに見守られ、成長した彼女は、立派な魔道士になって失った記憶を取り戻したい、と願っていた。そのリシェルの前に、謎の騎士が現れて────?(あらすじ KONA)

 これは素敵な異世界FT!!
 世界観もキャラもすごく練りこまれていて、作者様が展開をきちんと見据えて書かれていらっしゃる印象です。謎や伏線もふんだんに盛り込まれてる感じ。テンポも良くて、安定した筆力です。少女小説っぽい雰囲気も好みー!

 主人公の師であるシグルトは、ふだんはかなりいー加減で、恋愛小説大好き。しかし、どうやらシリアスな過去を抱えている様子。そんな彼にふりまわされ気味なリシェルは、内気な美少女だけど、こうと決めたら頑固なとこがかわいいw
 シグルトの親友や、リシェルに敵意を燃やすその弟子。魔道士を束ねる一癖ありそな導師たち。脇キャラもとっても魅力的です!

 そして何より、どっちに転ぶかわからない、びみょーな師弟関係がすんごい萌え。しかし! 途中から登場の黒髪騎士さん、この方もかっこいいんですよー! どっちも萌エスーーー!! 一粒で二度おいしいってやつデス
 コミカルだったりシリアスだったりで、読んでて飽きがこないとこも素晴らしい。いろんな意味で先が気になる、連載中の長編です。若干の残酷描写・性的表現あり。

右手に剣を左手に恋を

2012.02.18.Sat.12:19
右手に剣を左手に恋を
作品一覧 28号 様)

 とある小国フロレンティアで、女騎士として職務に励むキアラ。彼女は、無理矢理参加させられた「合コン」で、年上の王子様に連絡先を渡されてしまった。けれどキアラは下級の騎士で、その上、剣の腕と腹筋だけは一流なのだ。はたして恋はうまくいくのか?(あらすじ KONA)

 先日ご紹介した現代FT、「プロポーズはお早めに」があまりにも面白かったので、同作者様の作品を片っぱしから拝読してました。

 で、こちらの長編の舞台は、架空のイタリア半島。魔法と科学が同居する、不思議な世界です。
 光溢れるイタリアらしい、陽気なフロレンティアの町や人々に、読んでてとっても心浮き立ちます。そこで繰り広げられる、キアラとその女性上司レナスの恋とお仕事が、お話のメイン。

 意地っ張りなキアラとレナスがすごくかわいいのですが、彼女たちを見守る男性キャラもとても素敵っ。彼女たちの歩みに優しく寄り添い、相手の意思や性格を、きちんと尊重してる感じ。強引な俺様キャラも好きだけど、こういう男性キャラも新鮮でいいなぁ。
 ただ、レナスの傍若無人っぷりは筋金入りというか……(笑) 振り回される方は大変デスw

 短いエピソードが章ごとに完結するので、さくさく読みやすいです。騎士のお仕事ものとしても楽しかった! 連載中の長編。同作者様の、「魔王はハンバーガーがお好き」「船長は恋がしたい」もとっても面白かったです。

 ☆ 返信不要の方にちょっとだけ ☆
 続きを読む

プロポーズはお早めに

2012.02.16.Thu.11:59
プロポーズはお早めに
作品一覧 28号 様)

 357回の悲恋の末、ついに何の障害もない世界と時代に生まれた私と彼。けれど、なんと彼は私を覚えていなかった!! 357回分の愛と、悲恋に耐え続けたど根性を武器に、愛しの先生にアタックし続ける不思議女子高生の物語。(あらすじ サイト様より)

 最近は、自力で作品を探す余裕があんまりなくて、もっぱら他の紹介サイト様にお世話になってます。こちらも、「君の首筋に悪戯」様でご紹介された作品です。

 で! この転生コメディ、めっさめさ面白かったですーーーーー!!
 女子高生と教師として再会した二人ですが、先生は前世の記憶が全くない。
 どーにも冷たい先生と、それをものともしないヒロインの会話が、すんごい笑えますw かみあってなさすぎw 検索タグが「悲劇(笑)」になってるのも納得の酷さです。

 そして続編。斜め上な展開に慄きつつにやにやしつつ、読み進めてました。そしたら……あっれ? なんかモニター曇ってる? みたいな。これはせつない。まさかの涙デシターーーTT

 番外編では、先生の意外な過去が、意外な形で暴露されてて噴きました。
 中身はセウト気味ですが……ヒロインがんばれちょうがんばれ。先生もがんばれ。ある意味とってもオンノベらしい斜め上っぷりで楽しいです! 一読を強くオススメします。シリーズ完結。

南の海を愛する姉妹の四重奏

2012.02.15.Wed.11:47
南の海を愛する姉妹の四重奏
作品一覧 まるは 様)

 次期、女公爵になるため、スパルタ教育で育てられた繊細な姉と、その容姿や性質から、母にほったらかされて育てられた元気な妹が、初めて故郷のロアアールを出て王都へ行く。 そこで二人を待っていたものは、良い男と──悪い男。(あらすじ サイト様より)

 「乱読のススメ」様でご紹介されていた作品です。やー面白い面白い!
 病気の父の名代で、次期公爵として王都に赴いた姉のレイシェスと、それにくっついてきた妹のウィニー。同じ両親から生まれながら、まるで違う容姿、性格、境遇。でも、すごく仲が良くて、ほほえましい姉妹なのです。

 王都では、しばし和やかな時間を過ごす二人。一方で、厳しい政治の現実も待ち受けていて────。
 彼女たちの故郷ロアアールは、他国との国境にあり、悩みや重責が尽きない土地柄。それゆえ、波乱の展開を見せる後半が個人的にツボでした! 
 公爵の娘という重みを次第に自覚し、それぞれの立場で責任を全うしようとする姉妹。そんな彼女たちを、ついつい応援したくなっちゃいます。

 ヒーロー氏たちも、とても個性的です。特に、基本的に前向きなメインの登場人物の中で、まるで、黒い染みのように異彩を放つ、あのお方の存在感……! 恋愛ものにありがちな、甘い展開だけじゃないところが良いですねー。
 二人の恋、中央との軋轢、そして領地の未来。どーなるの!? って感じで、続きがとっても気になります。長編、連載中。

13/09/21 先日、完結されました。最後まで楽しませていただきました。作者様、お疲れ様でした! 

水の冠

2012.02.15.Wed.09:56
水の冠
(掲載サイト:no-seen flower 由紀 様)

 男は、人をやめた王、魔法王国の始祖。女は、人を外れた魔女、国を滅ぼせし占い師。
 これはもう一つの、王と魔女の物語。否、王をやめた男と、魔女になる娘の物語。(あらすじ サイト様より)

 これまで、「Unnamed Memory」「Babel」「Rotted-S」の三作品をご紹介してきたサイト様より、先ごろ完結した中編をよーやく拝読したのでご紹介です!
 「Unnamed Memory」番外編などでおなじみの、あの彼女が主役の物語。(スピンオフですが、こちらの長編を未読でも大丈夫です)

 自分の元から去った魔族を探していたオーティスは、その旅の途中で、膨大な魔力を持つ美しい少女を拾います。彼女の普通ではない出自を察した彼は、その少女に魔法の使い方や生きる術を教えようとする、というのが物語の始まり。

 うーむ。このお話は、序盤の廃城のエピソードと、ラストで対になってるのかな。ささやかな幸福の先にあった結末は正反対。しかし、そのどちらも、切ないけれど美しいです。

 こちらは、サイトの他の長編と同じ世界観を共有していて、中でも魔力を持つ者が迫害されていた時代のお話なので、悲劇的なエピソードもあったりします。
 んが! 何はともあれ、ヒロインのヴェオフェルミネがかわええです! そして、何気ない一言で、二人の女性(うち一人は人間じゃないけど)の人生を変えたオーティスは、たぶん無自覚たらし。

 あと、タイトルがすっごく綺麗ですよね! ヒロインのイメージにぴったりだし、最後まで読むと、「ああ、そーゆーことだったのね」となります。非常に面白かったです。おすすめ。

暁闇~あかつきやみ

2012.02.11.Sat.01:36
暁闇~あかつきやみ
(掲載サイト:日々楽々 鹿の子 様)

14/03/12 作品を下げられたようです。サイトは存続。
 私の好きな人は私の姉に片想いをしている。姉へのコンプレックス、家族とのすれ違い。そこに絡んでくる、生意気な後輩。春から夏までの由宇の物語。(あらすじ サイト様より)

 ひっさびさの更新です。ちょっと落ち着いたので、まずはほのぼのしたお話を読みたいなーと思いまして、以前ご紹介した「和菓子さま 剣士さま」のサイト様に入り浸り、ガツガツ読んでました。

 拝読した作品はどれもこれも面白かったのですが、一番印象に残ったのがコチラ!
 思うようにいかない関係の中で、絡まってしまった感情。意地悪を言ってしまった後の微かな後悔。そういうのをすごく丁寧に掬い上げていて、ヒロイン嬢にかなり共感してしまいました。

 ヒロイン嬢がささくれてしまうのも、決してわかんなくない。彼女に関わる男性陣や家族は、それぞれ自分のことしか考えてなかったりで
 だけれど、このお話は決して居心地悪くないのです。むしろ、どこかほのぼのしてる。主人公が自分を「正面玄関組」と評していたように、彼女の根っこの性格が、とても優しくて真っ直ぐだからかなーと思いました。
 不意打ちのような甘さもあって、それがまたよいのですよ!
 続編「フラワー&フラワーⅡ」までで完結。

 中編「ロマンスは、これから」、シリーズ「ご近所恋愛のすすめ」も大変面白かったです! この方の書く現代もの、めっちゃ好みです。
 | HOME |